東京電力エナジーパートナー株式会社は、東京電力ホールディングス株式会社を持株会社とする電気・ガス小売企業です。2015年、東京電力株式会社の100%子会社として前身の東京電力小売電気事業分割準備株式会社として設立され、2016年に東京電力エナジーパートナー株式会社となりました。自由化以前の東京電力株式会社の小売区域であった関東エリアのみならず、沖縄・島嶼部を除く全国に事業展開しています。
同社は、新会員サイト「くらしTEPCO web」を開設し、ポイント制度を取り入れました。その際課題となった企業間連携のコストを削減することを目的にドットマネーを導入しました。今回は、そこに至るまでの背景と導入後の効果について、お客さま営業部くらしサポートグループの中村さんにお話を伺いました。
くらしTEPCO webは、2016年の電力自由化にともない、一般家庭向けにweb上で電気の使用量・料金などを確認できるサービスとして提供を開始しました。開始当初のポイント制度は、自由化料金の支払いに対してポイントがつくという設計でしたが、2021年3月以降、対象の料金プランを契約しているアカウントに対し、毎月のログインでポイントが貯まる「コミュニケーションポイント」を開始しました。また、2022年以降は、省エネプログラムへご参加いただき、一定の条件を満たした方にもポイントをおつけしています。
電力自由化により、東京電力エナジーパートナーを選んでいただくために、多様なお客さまのニーズに合わせた電気料金プランをつくる必要がありました。他社では、新規顧客獲得に向け、電気と他事業をセットにしたプランを提供するなど、さまざまな策に踏み出していました。これらを踏まえ当社では、自由化メニューのご契約拡大をねらい、ポイント制度を導入しました。
賢く電気を使っていただくということをテーマに機能提供をさせていただいております。節電のコツや省エネに関する知識など生活に密着した情報が受け取れることはもちろん、毎月の電気・ガスの使用量と料金を前月や前年などと比較することができます。プランによっては週別や日別、30分ごとにグラフでみることが可能で、前日までの使用状況などから当月の料金を予測する機能も提供しています。
また、世帯人数や住居タイプといったプロフィールをご入力いただくと、似たようなプロフィールをもつご家庭の状況と比較できる機能も提供しており、ただ電気を使うのではなく、ご家庭ごとに工夫して上手に使っていただきたいと考えております。
かつてのアナログな電気メーターでは月ごとの電気使用量が分かる程度でしたが、スマートメーターの広がりにより、より詳しいデータを取得できるようになり、活用の可能性は広がってきています。
くらしTEPCOポイントの設計と、関連する施策の検討〜実際の運用まで一通りを行っております。また、お客さまからの問い合わせに関する対応方針なども策定しています。最近では国や東京都などの政策と連携して実施した『TEPCO省エネプログラム』において、特典の配布方法の検討や時期の調整といったところに関わっていました。
当初、くらしTEPCOポイントの使い道は、電気料金の支払いにそのまま充当していただくか、提携先のポイントへ直接交換していただくかのどちらかでした。しかしながら、後者については直接交換方式をとる場合、各社との契約やサービス間の繋ぎ込みをはじめとする様々なシステム改修が発生するため、新たな交換先の追加には大幅な時間がかかっていました。お客さまの要望に応え、より多くの交換先をスピーディーに導入するためには、1社ずつの契約ではなく、共通ポイント交換所を利用することが得策と考え、その候補としてドットマネーがあがりました。
交換先商品の豊富さです。スケールメリットがあると感じました。また、当社の要望に対して柔軟に対応していただけることとその対応速度が大きな決め手となりました。
契約をはじめとする事務作業や、システム改修のための工数が大幅に削減できたのは大きかったと思います。ドットマネー導入後は、お客さまへのご案内方法を考えることが中心となったため、かなり助かっています。
また、各社で随時実施される施策のやりとりについても、交換レートなど細かい設計の部分はドットマネーへ、告知は当社へと柔軟に使い分けていただいているため、企業間のコミュニケーションもとてもスムーズになりました。
お客さまからの問い合わせについても、事前に当社と方針をすり合わせさせていただいた上でご対応いただいているため、助かっています。それに加え、ドットマネーは他社事例のノウハウをもとに具体的な解決策をご提示してくださるので、よりスピーディーなお客さま対応が実現していると思います。
他にも例えば、ポイント交換を直接交換方式からドットマネーに切り替える際の案内について、過去の事例からどのような文面で案内すると問い合わせ数が抑えられるかなどご助言いただきました。そのおかげもあって大きな混乱も起きることなく、スムーズに切り替え案内することができたと思っています。
また、交換導線で迷ってしまうというお問い合わせがきた際には、当サービス内だけでなく、ドットマネーのUIに至るまで原因の検証と改善を具体的に進めてくださいました。一緒に話し合って改善していけるのはとてもありがたいですね。
ドットギフトの導入は、東京都「家庭の節電マネジメント事業」の特典として、デジタルギフトを配布する必要性が生じたことがきっかけでした。ドットギフトでもドットマネー同様、当社の要望を汲んだ魅力的なご提案をいただきました。問い合わせスキームなどについては、オーダーメイドで設計してもらっています。これらは常に打ち合わせベースで対話を重ねながら進めていけたので大変心強かったです。また、他社のデジタルギフトと比較して料金設定が安価だったことも決め手の一つです。
初めての取り組みだったので最初はトラブルが起きることもありましたが、その際のリカバリーがとても早く、スピード感を持ちつつも大きなトラブルが起きないよう進めてくださいました。とにかくリスク回避の共有がとても早くて大変助かっていますね。
ポイント市場は変化が早く、契約の締結やシステム改修に時間をかけていると、決済やポイントのトレンドにどんどん遅れをとってしまいます。ドットマネーの導入により、課題に感じていたスピード面が改善され、お客さまからの要望が高いポイント交換先を先んじて取り入れていくことができました。今後もお客さま満足度の向上のためにドットマネーと一緒に取り組んでいきたいと思っています。